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第3回「健康をめざすアート公募展」優秀賞受賞者・いだちえみさんインタビュー
一般財団法人「健康とアートを結ぶ会」代表理事・宮島永太良が、第3回「健康をめざすアート公募展」優秀賞受賞者・いだちえみさんにお話をうかがいました。
いだちえみさんのプロフィール
「内圧に、出口を」をテーマに、「誰もが自分の内側を吐き出してこの世界で生きていける世界にできますように」と願いながら、嘔吐をモチーフとした作品「#ゲロ絵」を発表中。
【略歴】
イラストレーター/グラフィックデザイナー/アートディレクターとして従事しながら創作活動中。
クライアントワークと自主創作双方から、誰かや自分の吐き出したい強い思いを表現によって伝える。関わる人々に「吐き出すことによって世界が広がっていく」ことを実感してもらえたら幸せ。
【個展とグループ展】
2018年4月 個展「あいうえおうと」をデザインフェスタギャラリー原宿にて開催
2020年1月 個展「いつでもおうと」を喫茶ギャラリーGekiにて開催
2021年11月 個展「一日一吐」をデザインフェスタギャラリー原宿にて開催
【受賞歴】
2018年 第19回ノート展 入選
2025年 第3回「健康をめざすアート公募展」 優秀賞
2025年 紀陽銀行 presents UNKNOWN ASIA 2025 審査員賞、レビュアー賞
【イベント出展】
2024年11月 デザインフェスタvol.60
2025年7月 デザインフェスタvol.61
2025年11月 レザフェスvol.4
【これからの予定(出展・個展など)】
2026年8月 Independent Tokyo 2026
2026年11月-12月 銀座ミーツギャラリー/グループ展
2026年12月 デザインフェスタギャラリー原宿/個展「10年前から吐いてます」
【SNS】
Instagram
- 宮島永太良(以後Q):
- この度は入賞、おめでとうございます。はじめに、いだちえみさんの画歴を教えてください。
- いだちえみさん(以後A):
- 子どもの頃から絵を描くのが好きで、10年ほど前から「感情を吐き出す」ということをテーマにして創作を始め、デザインフェスタにグッズなどを出展するという活動をしています。今回、このようなアート分野での公募展は初めての出展となります。
- Q:
- この公募展に参加した経緯を教えてください。
- A:
- 「自分の心の内を出す」ということは健康上、とても大切で、自分の作品を通じて、見た人も何かしら良い方向へ向かえたら良いなと思っております。「アートと健康」や「アートと医療」といった分野で作品を発信できる場がないか探していたところ、この「健康をめざすアート公募展」を見つけ、応募しました。
- Q:
- ご自身の作品を、人が良くなる方向に役立てたいという思いがあるんですね。以前、NHK Eテレ「ハートネットTV」に「あがるアート」というものが紹介されていて、見た人々を前向きな気持ちにしたり、地域に活力を与えるアート作品を紹介していましたが、同じような思いで作品を制作されているんですね。
- A:
- その番組を拝見したことはないのですが、作品に込める思いは近いかと思います。見た人の気持ちをあげ、良い方向へ向かってくれたら良いなと思っています。

- Q:
- それでは次に、優秀賞を受賞した「NANIMOSHINAI」について教えてください。
- A:
- 今回、2作品を出展していて、1点目は先ほどお話しした「感情を吐き出す、自分の心の内を出す」をテーマにした作品です。もう1点は、この「NANIMOSHINAI」。何もしたくないという気持ちを否定的に捉えないでほしい、何もしないことが心地よいならそれが一番で、焦らないで安心して何もしない状態でいることが、その人にとって健康に良いことだよという思いを込めて描きました。
- Q:
- 描かれているモチーフが赤ちゃんのように見えるのが印象的でした。人って幼い頃ほど本能的に純粋な気持ちで行動しますよね。それが成長するにつれて「何かしなきゃ、こうしなきゃ」という気持ちに縛られる……。
- A:
- 幼い頃は「そのままでいい」と肯定されるのに、大人になるにつれて他の人と比べたり、周りと同化しなきゃと感じることがあるかと思うのですが、そういったものを一度取り払って自己受容できる状態、自分がそうであることに不安がない状態が健康なのかなと、この作品の制作を通じて感じました。

- Q:
- 使用した画材・手法についても教えてください。
- A:
- 筆ペンのタッチがある水性ペンを使いました。下書きはディック・ブルーナさんの手法を真似して、へこみを本番の紙に残して、それをなぞって描くという方法で描きあげました。
- Q:
- 普段から手描きで描くことが多いのですか?
- A:
- 仕事ではパソコンなどを使ったデザイン制作を行う一方、作品制作では手描きならではの表現を大切にしています。ものによってはデジタルで絵を描くこともありますが、一番最初の下絵はメモ帳などに手描きしています。
- Q:
- 出展する際に大事だと思ったことを教えてください。
- A:
- 「こういうものを描きたい」という思いを、一生懸命にお伝えすることです。本格的なアート系公募展への出展は今回が初めてで何もかも手探りな状態でしたが、審査員の方をはじめ、作品を見てくださった方にコンセプトや自分の思いをお伝えできたことは大変良かったと思いました。
- Q:
- これから、この公募展に応募しようと考えている方がいたら、どんなメッセージを伝えたいですか。
- A:
- 表現の手法や自身の経歴などにこだわらず、自分の表現や考えを率直に表すことが大切だと感じます。また、健康とアートをテーマにした公募展は数少ないので、自分の作品を健康・ケア・医療といった分野に繋げたいと思っている方にとっては、貴重な機会になると思います。

取材日 2026年5月26日(火)
場所 銀座ミーツギャラリー